うるとらなのばぶる

ウルトラナノバブルの定義

ウルトラナノバブル(Ultra Fine Bubble / UFB)とは、直径が1マイクロメートル(1μm = 0.001mm)未満の超微細な気泡のことです。国際標準化機構(ISO)が定めたISO 20480-1規格では「ウルトラファインバブル」として分類されており、ファインバブル(直径100μm未満の気泡の総称)の一種に位置づけられています。日本では「ウルトラナノバブル」という呼称が広く普及しており、両者は同じ意味で使われています。

通常、私たちが目にする泡は直径数ミリから数センチで、水面に浮き上がって数秒のうちに破裂します。マイクロバブル(直径1〜100μm)も白い濁りとして目視できますが、やはり浮力によって数分程度で水面に到達し消滅してしまいます。これに対して、ウルトラナノバブルは光の波長よりも小さいため肉眼では一切見えず、ウルトラナノバブルを含んだ水は完全に無色透明のまま変化しません。水の見た目も味も匂いも変わらないのに、実は1mLあたり数千万個もの微細な気泡が含まれているのです。

3つの特異な物理的性質

1. 浮力がほぼゼロ

気泡は通常、浮力によって水面に向かって浮き上がります。しかしウルトラナノバブルは直径が1μm未満と極めて小さいため、浮力がほとんど無視できるレベルです。物理学的に説明すると、気泡に働く浮力は体積(直径の3乗)に比例するのに対し、周囲の水の粘性抵抗は直径に比例します。気泡が小さくなるほど浮力に対する粘性抵抗の比率が大きくなり、ウルトラナノバブルのサイズではブラウン運動(水分子の熱運動による不規則な振動)の影響が支配的となって、浮力による上昇はほとんど起こりません。

2. 驚異的な残留性

浮力がほぼゼロであることの直接的な結果として、ウルトラナノバブルは水中に極めて長い時間残留し続けます。その残留期間は数ヶ月から最大約2年にも及び、通常の泡とはまったく異なる長寿命を持っています。エコキュートなどの貯湯タンクに溜まった水でも、強い衝撃を加えなければウルトラナノバブルは維持されます。これは、WHOLE IN ONE装置を給水管に1台設置するだけで、家中の蛇口から長期間にわたってウルトラナノバブル水を供給できるという実用上の大きなメリットにつながります。

3. 巨大な比表面積

同じ体積の空気を気泡にした場合、気泡の直径が小さいほど気泡の総数は多くなり、気泡全体の表面積(比表面積)は飛躍的に増大します。ウルトラナノバブルの場合、通常の気泡と比べて比表面積が桁違いに大きく、水中で気体と液体の界面が広大に存在します。この巨大な界面が、汚れへの吸着力や化学反応の促進に寄与していると考えられています。

マイクロバブルとの違い

ウルトラナノバブルとマイクロバブルは、どちらもファインバブルに分類される微細気泡ですが、その性質は大きく異なります。マイクロバブル(直径1〜100μm)は水を白濁させるため目視で確認でき、浮力によって水面に浮き上がり、数分で消滅します。一方、ウルトラナノバブル(直径1μm未満)は無色透明で目視不可能、浮力がほぼゼロで数ヶ月〜約2年間水中に残留します。

用途面では、マイクロバブルは浮上過程で周囲の汚れを吸着して持ち上げる「即効性のある洗浄」に適しています。シャワーヘッド型や浴槽設置型の製品に多く採用されています。一方、ウルトラナノバブルは毛穴や配管の微細な隙間にまで入り込む「浸透洗浄」に強みがあり、長期残留による持続的な効果を発揮します。WHOLE IN ONE装置のように給水管に直接設置して家全体をカバーする製品は、このウルトラナノバブルの特性を活かした設計です。

測定方法と科学的実証

ウルトラナノバブルは肉眼では見えないため、その存在を確認するには専門的な計測装置が必要です。WHOLE IN ONE製品のウルトラナノバブル密度は、島津製作所製のレーザー回折式粒子径分布測定装置「SALD-7500nano」によって第三者機関で測定されています。レーザー回折法は、レーザー光を水中に照射し、粒子(気泡)によって散乱される光のパターンから粒子径の分布と個数密度を算出する手法です。

測定の結果、15リットル/分の流量条件下で、水1mLあたり最大5,086万個(約5,000万個)のウルトラナノバブルが生成されていることが確認されています。流量5L/分では2,278万個/mL、10L/分では2,994万個/mLと、流量が増えるほどキャビテーション効果が高まり、より多くのウルトラナノバブルが発生します。これらの数値は、製品の効果を裏付ける客観的な科学データとして重要な意味を持っています。

ISO規格と国際分類

ウルトラナノバブルの国際的な定義は、ISO 20480-1(ファインバブル技術 ー 一般原則)で規定されています。この規格では、直径100μm未満の気泡を「ファインバブル」と定義し、さらに直径1〜100μmの「マイクロバブル」と直径1μm未満の「ウルトラファインバブル」に二分しています。日本では「ウルトラナノバブル」という呼称が広く使われていますが、ISOの正式名称は「ウルトラファインバブル(Ultra Fine Bubble)」です。

日本国内では、一般社団法人ファインバブル産業会(FBIA)がISO規格の普及と製品認証を推進しています。ファインバブル市場が急速に拡大する中で、科学的根拠のない製品との差別化にISO準拠の技術基準が重要な役割を果たしています。

ウルトラナノバブルの応用分野

ウルトラナノバブル技術は、家庭の水回りにとどまらず多様な分野で実用化・研究が進んでいます。家庭用途では、洗浄力の向上(食器洗い・洗濯・排水溝のバイオフィルム除去)、美容効果(毛穴洗浄・保湿・保温)、ペットケア(アポクリン腺洗浄による消臭)、節約効果(洗剤削減・水道代削減)などが挙げられます。産業分野では、農業(作物の成長促進)、水産養殖(溶存酸素量の向上)、工業洗浄(精密部品・半導体)、環境浄化(水質改善)など、幅広い応用が進められています。

ウルトラナノバブルについて詳しく

さらに深く知る

ウルトラナノバブルの安定性(なぜ長期間消えないのか)のメカニズムは、実は現在も完全には解明されていません。通常のマクロな気泡では、表面張力によって気泡内部の圧力が外部より高くなり(ラプラス圧)、気体が水中に溶解して気泡は収縮・消滅するはずです。しかしウルトラナノバブルは数ヶ月以上安定して存在します。有力な仮説として、気泡表面に水中のイオンや有機物が吸着して殻(シェル)を形成し、気体の溶解を防いでいるという「表面吸着層モデル」があります。

また、ウルトラナノバブルが破壊(崩壊)する際に、瞬間的にフリーラジカル(特にOHラジカル)が生成されるという研究報告もあります。フリーラジカルは強力な酸化力を持ち、有機物の分解や殺菌に寄与する可能性があるため、洗浄・脱臭効果の一部はこのメカニズムで説明できるかもしれません。大阪大学との共同研究においても、キャビテーションによる気泡崩壊時の化学反応は重要な研究テーマのひとつです。

さらに、ウルトラナノバブルの表面はマイナスに帯電していることが知られています。このゼータ電位(表面電位)がマイナスであることで、同じくマイナスに帯電しているウルトラナノバブル同士は電気的に反発し合い、合体(凝集)することなく水中に安定して分散し続けます。この電気的安定性も、長期残留の重要な要因のひとつです。

サイズ
0.001mm未満
持続性
数ヶ月〜約2年
密度
最大5,086万個/mL

スタッフの声

田中 さゆり カスタマーサポート

お客様からよくいただくのが「本当に目に見えないのに効果があるの?」というご質問です。実はそこがウルトラナノバブルの最大の強みなんです。目に見えないほど小さいからこそ、毛穴や配管の隙間に入り込んで汚れを落とせるんですね。実際にお使いいただいたお客様からは「シャワー後の肌のしっとり感が全然違う」「排水溝のヌメリが気にならなくなった」というお声を多くいただいています。まずは「水が変わる実感」を体験していただければ、きっとご納得いただけると思います。

木下 大輔 設置工事スタッフ

設置工事後の初回通水で、配管内部の古い汚れが一気に出てくることがあるんです。特に築年数の経った住宅だと、茶色い水が出てびっくりされるお客様もいらっしゃいます。これは装置が正常に機能している証拠で、ウルトラナノバブルが配管内壁にこびりついていたバイオフィルムやサビを剥がしているんですね。数分流せばきれいな水に戻りますので、ご安心ください。設置場所は水道メーターの二次側で、家中すべての蛇口にナノバブル水が届くようになります。

鈴木 健一 製品開発エンジニア

ウルトラナノバブルの物理学的な面白さは、マクロな世界の常識が通用しないところにあります。通常の気泡ではラプラス圧で自然に消滅するはずなのに、ナノスケールでは表面吸着層やゼータ電位の効果で安定して存在し続ける。島津製作所のSALD-7500nanoで測定すると、15L/分の流量で5,086万個/mLという密度が確認できます。これは水1mLに約5,000万個の気泡が含まれるということで、この高密度のナノバブルがあらゆる表面に接触して洗浄・浸透効果を発揮するのです。